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平成25年度政務活動費 監査請求書提出しました

平成25年度政務活動費 監査請求書提出

昨日(2月26日)表記監査請求書を提出しました。
今年度は総額37百万円の不適切な支出について監査請求したもので、
監査委員の真摯な監査に期待しております。
監査請求書 本文を掲載します。

                                平成27年2月26日

奈良県監査委員会御中

             住 民 監 査 請 求 書


地方自治法第242条1項の規定により、事実証明書を添えて、監査委員に必要な措置を請求します。

請求の趣旨
第1.請求の対象行為
1.奈良県が交付した平成25年度政務活動費には、政務活動費の使途基準に  合致しない不適切な支出があり、これらは不当利得であるので返還を求める  べきものである。 不適切な支出は調査費、公聴広報費、事務所費、人件   費、事務費等で総額は37,059,873円である。
(別紙1相手方別、費目別金額一覧表を参照)
2.奈良県には政務活動費交付に関する条例並びに規定があるほか、奈良県議  会が作成した運営の手引きがあり、是等の諸規程に準拠して実施されている。
第2 請求の理由
1 会派の支出について
① 会派自由民主党が実施した宿泊を伴う研修は正に大名旅行とも言えるもので認めることはできない。宿泊温泉ホテル(佐賀、嬉野、石和)での会議費用(入場料)1ケ所 30,000円 合計90,000円は説明がつかない費用である。事務局を通して、問合せしたところ、口頭で「会議をした」とのことであるが、出席者や議題の説明もなく不真面目な対応であった。
また、ジャンボタクシー貸し切費用 長崎・佐賀3日間 135,000円、
東京・山梨2日間 104,000円も非常識で、例えば嬉野温泉から長崎空港まで片道運行40分に35,000円、東京駅から国土交通省20分、参議院会館から東京駅30分に55,000円、翌日山梨の宿泊場所(石和温泉)から甲府市リニア推進局まで70分を要する不要な移動等に49,000円も出鱈目な金額である。一日1万円、5日間50,000円が最大限の充当相当額とし、残額を違法な支出とみた。奈良交通社の請求書明細から判断するに(現地での議員の支払はない)この移動に添乗員が介在していたものと推察できるが、添乗員の必要性も認められない。
また、奈良交通の領収書にも疑問がある。先日付で支払の(長崎・佐賀)
の領収書番号が後日付支払の(東京・山梨)領収書番号よりの後番号になっていることから、添乗員費用が見えない事と併せて懸念がある。
  ( 事実証明書1番~6番)

2.議員の支出について
(1)調査費
  ① 南部振興議員連盟 懇談会費用  452,812円
  橿原観光ホテルで開催された懇親会費用で全額飲食代であり、使途基準に
合致する支出と言えるものではない。出席者78名には3000円の松花
堂弁当を用意したほか、2000円の松花堂弁当48人分は出席者以外に
支給するものである。奈良県議会が作成した手引きでは充当が不適切な会
費として飲食会食を主目的とする各種会合の経費を挙げている。相応しく
ない出席者の弁当及び支給先不明の弁当代は違法な支出というべきである。合計330,000円 
(事実証明書7番~8番 )
尚、証拠となる領収書は請求者の請求によって、提出されたものである。
(2)公聴広報費の内の印刷物関連費用
   議員が自己の主張と活動を印刷媒体を通じて住民に報告することは必要な政務活動であると言えよう。但し、この場合この印刷媒体を利用して、後援会活動や政党活動等に係る記事の記載があった場合は、その記載の割合に応じて適切な按分をしなければならないとされている。(手引き8頁)) 
  然しながら、その適否を判断するには作成した印刷物を見る事が必要不可欠である。議会事務局では印刷物を見てその適否を確認する作業は行っていないとのことである。そこで議長にこの印刷物の開示を求めたが出来ないとの回答であった。
印刷物の確認を放棄することはこの制度の瑕疵を自ら認めることにもなり、許されることではない。監査委員の適切なる対応を求める。
 請求人の調査によれば該当する印刷物を作成し、政務活動費以外の記事記載を認めて按分を行った議員は11名(内7名が%50按分)で、平均按分率は65%であった。
これに対して、作成した印刷物は全て政務活動の為の記事であるとして
100%充当した議員は22名である。然しながら是等の印刷物については同僚11議員が按分した事実が尊重されなければならない。按分の必要を認めない議員は積極的に作成した印刷物を提出して自らの主張を明らかにする責任があろうというべきである。
そこで本来ならば各議員が作成した印刷物を見て個別に適切な按分率を算出するべきと考えるが、当該印刷物を確認出来ない現状においてはやむを得ず、実際に按分を行った11議員の平均按分率65%を参考にして、35%に相当する金額を違法な充当額として算出した。そうすると違法な充当額は8、009、200円となった。(別紙2 参照)
 一部断片的に入手した当該印刷物をみると例えば政党のイベント行事に関する記事が紹介されている。印刷物を見て確認する事が絶対必要なのである。尚、確認ができた場合、しかるべく訂正されるのは当然である。
(事実証明書 9番~83番 )

(3)事務所費、賃借料(含む駐車場)
  賃借料全額を充当している議員15名、75%充当している議員1名の支出には違法性があると考える。(別紙3 )
これに対して10議員は2分の1を充当し、半分は政務活動以外の使用があることを認めている。
事務所の使用態様は議員毎に異なることは当然である。事務所には通常(A)議員居住場所(B)政務活動事務所(C)後援会事務所の3つがあるが、賃借事務所を持つ議員は居住場所とは別の所で政務活動業務を行っていると見るのが常識的である。
この事から、事務所の使用は次の3つの態様に分けられる。
①A・B・C 3つが同一場所の場合 
政務活動とそれ以外の活動が混在、按分が必要
② B・C  2つが同一場所の場合 ①と同じ理由で按分が必要
③ B・C  2つが異なる場所の場合 理論上は按分の必要はない。
違法支出が認められる議員は②、③のケースに当て嵌るが、その内②に該
当する議員は10名であり、③に該当する議員は6議員である。
従って②に該当する議員の100%充当は理論上も実態面からもあり得ない話である。③に該当する議員6名は理論上、按分の必要性はないが、後援会活動の実態面から見ると実務の殆どは政務活動事務所で行われ、後援会事務所は希に開かれる会合等で使用頻度は低いものであるから、後援会専任職員が存在しない限り賃借事務所が政務活動専用に使用されるとは考えにくく、②と同様に賃借事務所で後援会事務も行われると考えるのが自然である。事務所の業務を政務活動費とそれ以外に区分することは特段の説明や記録がない場合困難である。この様な場合、通常の社会通念並びに50%按分の同僚議員10名の対応を見ても50%按分が相当と考えるべきである。
(注)後援会事務所の住所は選挙管理委員会に届け出た住所。
又、支払先が別法人格である親族が経営する会社に支払った賃借料については平成26年1月30日大阪高裁確定判決7230万円の返還命令が示す通り(和歌山県議政務調査費 判決文74頁中段)実質的に議員の利益となっているとの判示もあることから、森川議員、乾議員、辻本議員、神田議員の賃借料は全額違法な支出とみた。
(平成23年度事務所費については、現在大阪高裁控訴審で係争中)
「奈良県の手引き10頁」によっても「自己所有物及び生計を一にしている親族の所有物件」には賃借料を充当できないとする規定があり、この規定を適切に採用する必要がある。
   (事実証明書 85番~106番 )
(4)人件費
  人件費の50%按分の議員が9名に対して、100%充当の議員は19名である。 雇用職員の活動に特段の説明がない場合は、社会通念に照らし且つ、50%按分の同僚議員9名の対応を見ても、50%按分すべきものと考える。
奈良県の手引き12頁では「政務活動の補助の為に雇用した者が他の業務も携わっている場合は、政務活動に要した業務の実態によって経費を按分する。ただし、業務実態が明らかでない場合は1/2を限度として充当できるものとする」
という規定がある。違法とされた議員は雇用実態が客観的に確認できる証拠書類(雇用契約書、協定書、源泉徴収表、社会保険関係の書類、出勤簿、賃金台帳等以上手引きによる)を整備し、自ら実態をあきらかにする必要がある。
安井議員は7月分のみ50%按分であるが、他の月は100%充当であり、高
柳議員は75%按分であるが、いずれも50%按分が相当と考える。山下議員
が20%を民主党会派の人件費に充当しているのは相当としても、山下議員が
充当できる人件費は残額(全体の80%)の半分とすべきである。
共産党議員5名は共同使用ということで一人20%宛充当しているが、勤務場所が会派事務所であることから、各人の後援会とか選挙活動に従事することは考えにくい。  (別紙4 平成25年度政務活動費 人件費明細)
 (事実証明書 107番から148番 )
(5)事務費等
 ① HP維持管理費用
議員はHPに後援会活動の紹介を行っているのが一般的である。
 この費用については多くの議員が2分の1按分を行っているが、妥当な判断
である。2分の1按分の議員は田中惟允、今井光子、宮木健一、出口武男、
高柳忠夫、辻本黎士の6議員である。これに対して次の7議員は支出の
100%を充当している。そもそもHPとは政務活動状況を発信するだけで
なく自己のPRや私事に係る紹介・連絡を本来的な目的とする媒体であるか
ら、自分のホームページが全て政務活動の為とは現実的に考えにくい。
上記議員と同様2分の1按分が相当と考えるべきである。
尚、手引き8頁では「広報紙の例に準じて按分する」とある。
       ( 年間支出充当額 )   (違法な充当額)
安井宏一   110,250円     55,125円
大國正博   189,000      94,500
粒谷友示   378,000     189、000
奥山博康、  249,480     124,740
はり真夕美  189,000      94,500
岡史朗    189,000      94,500
和田恵治   126,000      63,000
        違法充当額計     715,365
HPにあるプロフィール、活動報告写真の頁は政務活動、自己PRの両面を併せもつものと考えられるが、最近のHPによれば岡、大國、はりの3議員は公明党名の表示や公明党広報紙の表示がある。粒谷議員は後援会タブを設け、和田議員は後援会事務所所在地の紹介があり、安井議員は自民党名の表示や知事と握手する写真があり、奥山議員は家族紹介や参議院選挙出馬予定者の写真等があり夫々程度の差はあるものの、政務活動以外を目的とした運用も存在することは明らかである。監査委員の精査を求めるものである。  
(事実証明書149番~157番 )
  ② パソコン SETUP費用 
  パソコンの新規購入時などにはSETUPが必要になる。パソコンを政務活動以外に使用しないという事は考えにくく、尾崎議員のSETUP費用
53,550円 は2分の1按分が相当というべきである。
  (事実証明書 158番 )
 ③ 自治会費用
  大坪宏通議員が支出した雑司東町自治会費6,000円は使途基準に合致しないことは判例もあり明らかである。
  (事実証明書 159番 )
第3 監査委員の求める措置
  本件に関連して奈良県が被った損害は会派・議員の違法行為を原因として発生したものである。奈良県知事は当該関係者に対して直ちに損害賠償請求を求めるよう勧告する事を求める。                                                            以上。
by naraken-ombuds | 2015-02-27 16:02 | 監査請求・住民訴訟
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