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やまと広域環境衛生事務組合へ公開質問状

やまと広域環境衛生事務組合へ公開質問状

25日、NHK奈良なび で報道されました。

           平成28年11月25日

   御所市長   東川 裕 殿
(兼)やまと広域環境衛生事務組合管理者
(写)田原本町長  森 章浩 殿
(写)五條市長   太田好紀 殿
               
    奈良県北葛城郡王寺町太子1-10ー15
       奈良県市民オンブズマン代表幹事
                 一村哲司
                   

公開質問状

やまと広域環境衛生事務組合の地元対策費について

平素は行政に格段のご尽力を賜り有り難く御礼申し上げます。
早速ではありますが、標記地元対策費について公開質問を致します。
事務組合運営の基本に係わる問題を内蔵しているものと考えています。
ご検討の上、本年末迄に書面によるご回答をお願い申し上げます。
(1)地元対策費の負担割合は組合規約によって決めるべきはないでしょうか。
御所市、五條市、田原本町はそれぞれの焼却設備が老朽化したので2市1町による一部事務組合を設立(平成24年8月やまと広域環境衛生事務組合に名称変更、以下組合と言う)広域でのゴミ処理施設の建設を計画、平成29年3月の稼働を予定しています。新設備建設に当り、組合は建設地区の栗阪自治会に対して「協力金100百万円」の交付と周辺地区住民の生活環境向上を図り、周辺地区の発展と活性化を推進することを目的とする事業に要する資金に充てるため「周辺地区環境整備基金」を設置することを条例で定めた。基金の総額は450百万円、2つ合わせた地元対策費の合計は550百万円です。
その負担はゴミ処理量割で御所市93百万円、田原本町107百万円、五條市130百万円及び協力金の名の基に田原本町100百万円と五條市120百万円です。御所市には協力金と言う負担がないが栗阪自治会に交付した協力金
100百万円は組合管理者と栗阪自治会長の間で締結されており、田原本町と自治会で協定したものではない。つまり、協力金は組合の経費として支出しているので、これは組合規約第13条別表「管理運営費は100%処理量割」と定める規程に従い処理量割で負担しなければならない筈です。現行の負担割合では田原本町、五條市が負担した協力金は実質的に地元地区ではなく、御所市に対する協力金の様な格好になっていますが、そうであるとすると地方公共団体間の寄付を禁じる地方財政法4条の5「地方公共団体は他の地方公共団体に対し直接であると間接であるとを問わず寄付金を割り当て強制的に徴収(これに相当する行為を含む)するようなことをしてはならない」に当り、御所市の不当利得に相当するものと思考します。
総額550百万円をごみ処理量割で負担しなければならず、そうすると御所市155百万円、田原本町178百万円、五條市217百万円であるから、御所市は62百万円不当な利得を得ていた事になり、御所市は五條市に33百万円、田原本町に29百万円を返還しなければならない事になります。
嫌悪施設が設置されて迷惑を受けるのは地元地区住民であり、御所市ではない筈で施設誘致の立場を利用して不当な負担を要求したと言われても仕方がなく、御所市だけが特別な利益を受けられる理由は存在しません。
(2)栗阪自治会に対し支出した補助金につて
 基金の設定は平成24年10月4日開催の定例組合会議で議決されました。その際管理者東川裕氏は「基金の総額が4億5千万円というところで考えております。20年の中でということですので、今の時点では、はっきり申し上げられないと思います。ただ、その使途につきましても、もちろん、管理者を含め、議会の方でもご議論いただければ結構ですが、一応20年という目途の中で出てきた金額であることは間違いない」との発言があるが、その実施にはいくつかの問題があります。今までに実施した補助金をみると、
① 各戸に浄化槽設備に関するほ補助金200百万円は基金設定議決の僅か6ケ月後の平成25年4月25日自治会へ支出しているが、浄化槽設置事業は実施されなかった。計画の実施が困難な事がある程度予見された状況の中で、概算払いとは言え200百万円の支出の必要性があったかどうかは疑問です。
交付から3年半が経過した現在でも太陽光発電設備事業約25百万円が実施されただけだと言われています。② 墓地進入道路拡幅工事費(3m幅を4m幅に拡幅長さ約125m)13,421千円及び③ 栗阪地区道路修復工事(長さ約50m)1,995千円の補助金は市道の道路工事です。これらは道路法49条の規定により道路管理者の負担であること及び地方財政法9条及び28条の2の負担区分をみだりに乱すものに相当し、組合の補助金として支出するものではなく、御所市の事業として行われるべきもので補助金は違法性な支出ではないでしょうか。
更に、②では41%、③では20%の追加工事費が発生しているのも単純工事だけに不自然であり、支出金額の妥当性についても疑念があります。
不慣れな自治会に道路工事をやりなさいと言うのも如何なものか。
適切な工事発注ができたかには疑問があり、公金の使い方としては不適切と言わざるを得ません。
④ 栗坂区所有の火葬場を解体し、墓地区画として利用する3,211千円は基金の目的使用に適うものと思われる。
さて、組合は組合財務規則3条において「財務に関する事務取扱は御所市会計規則の例による」と定めているから、補助金についても会計規則第25条によるほか御所市補助金交付規則に基本的に準じるべきです。
① は規則第17条補助金決定内容違反による交付取消や第18条補助金の返還に相当します。叉、第12条に定める実績報告も求めていないと言う。
組合は独自に補助金交付要綱を作成・改訂していますが、組合事業である以上要綱は組合会議の報告・承認を求めるべきではないでしょうか。
(平成27年4月1日付で第3条に複数年度にわたる事業を含むなどの改訂が
 行われている)いずれにしても、補助金は基金から必要に応じて支出するもので、基金を自治会に預けるような事は認められません。未使用分の補助金は補助金規則に基づき、リスク回避も含めて返還を求めるべきだと考えます。
違法、不適切など指摘事項についてご回答を求めます。
(3)(参考意見)栗阪自治会に交付した100百万円について
組合は施設建設地区栗阪自治会に対して使途を指定しない地元協力金100  百万円を平成24年11月に交付しましたが、地方自治法232条の2は「普通地方公共団体はその公益性がある場合においては寄付又は補助することができる」と規定しているが、公益性の必要性という条件を課した趣旨は、恣意的な補助金交付の防止をすることにあると解され、補助金の認定は自由裁量ではなく、客観的にも公益上必要と認められるものでなければならず、裁量権の範囲には一定の限界があります。長による公益上の必要性に関する判断に裁量権の逸脱又は濫用があったと認められる場合には当該補助金の交付は違法と評価されると言われています。
確かに、地元協力金は地元住民との合意形成の為に必要であります。
平成11年12月5日岐阜地裁は岐北衛生施設利用組合が火葬場建設予定周辺地区へ支出した地元協力費125百万円は地方自治法2条14項、地方財政法4条1項に違反すると判決し、その理由は地元協力費の算定手続きが不合理であること、地元住民にとって火葬場が建設されたからといって苦痛や不便は存在しないなどが挙げられています。(別紙参照)県内の事例を見ると橿原市が建設したクリーンセンターかしはら(平成18年竣工)の地元協力金は地元公民館の建設であったし、葛城市が建設中の葛城市クリーンセンターの場合は平成23年着工、平成29年3月竣工予定であるが、工事期間中は毎年500万円、稼働後は毎年800万円を地元協力金として当該自治会に交付するとの事であります。(担当者談)奈良市、大和郡山市、生駒市の場合は30年程度以前の竣工の為、参考としませんが、奈良県営競輪場地元協力費は平成20年の場合
18百万円(56自治会)であるし、他府県の場合も葛城市の例に準じた協力費が多く散見されます。協力金と補助金を合わせた318百万円(既支出分)の地元対策費は一般の社会通念から大きくかけ離れたもので、裁量権の逸脱・濫用と言われても仕方がありません。
然しながら、支出の一部に裁量権の逸脱・濫用が認められるにしても、今更
合意形成を崩壊する様な事は出来ないのも事実ですが、地元対策費算定に合理性を欠いていた事は確認しなければならないでしょう。
(4)一部事務組合制度の適切な運営について
行政サービスの一部を共同で行う一部事務組合は厳しい財政状況の中では必要且つ重要な行政制度です。一部事務組合で処理するとされた事務は関係する地方公共団体の権能から除外され一部事務組合に引き継がれることになりますが、
一方、一部事務組合の事務は地方自治法、法令、規則のほか広範に及ぶ    規定が準用される事になっています。(自治法292条)一部事務組合    は引継いだ事業を適切に行う事が必要ですが、特に共同事業であるからこ   そ、公平・公正且つ厳正な運営が求められるところです。
然しながら、御所市に設置された8自治体からなる「奈良県葛城地区清掃   事務組合」においては御所市道である葛城98号線の新設工事並びに周辺地区住民(792世帯)の上水道設備整備に要する費用総額2008百万円を加入自治体に負担させるという不適切な事態が起きています。法律上は御所市が行う事業であることは明らかですが、施設誘致の立場を利用して不当な要求を加入する他の自治体に求めたもので(現在訴訟中で来年2月末判決予定)、本件組合の「地元対策費」も同質の問題であり、地方財政法に照らして違反するものであります。最近、施設の運営管理委託業務の不適切な契約も指摘されており、
この様な状況を踏まえて考えると、今後の組合事業が本当に適切に運営されるのであろうかと懸念されます。
一部事務組合の原点に戻って、関係する各位が真摯に協議され善処される事を
お願い致します。
                              以上。
                                                   
by naraken-ombuds | 2016-11-28 21:42 | 監査請求・住民訴訟
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