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奈良県市民オンブズマン 2011.1 renewal

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平成27年度政務活動費 訴状提出

奈良県市民オンブズマンが
平成27年度の政務活動費 住民訴訟 提訴しました。
     訴 状
平成29年6月19 日
奈良地方裁判所御中
                   原告 一村哲司外1名
当事者の表示別紙当事者目録記載のとおり。
奈良県議会議員に係わる不当利得返還請求事件
訴訟金額金1,600,000円
貼用印紙代金13,000円
第1 請求の趣旨
1.被告は別紙1「相手方請求金額一覧表」の相手方欄記載の各
相手方に対し、それぞれ同請求金額欄記載の金員及びこれに対する
平成28年4月1日から支払済まで年5分の割合による金員を支払
う様請求せよ。
2.訴訟費用は被告の負担とする。
との判決を求める。
第2 請求の原因
1.当事者
原告は奈良県住民であり、「奈良県市民オンブズマン」の会員である。
同団体は行政の情報開示を進め、政治・行政を監視し、不正・不当な行
政を是正することを目的として活動する任意の団体である。
2.訴訟の概要
(1)奈良県議会議員の平成27年度政務活動費には使途基準に適合
しない目的外支出があり、此れ等の支出は議員の不当利得に相当する
ものであるから奈良県に返還すべきものである。但し相手方米田議員の
事務所費電気代については平成23年度から平成27年度までの5年間
に亘る違法支出を対象としている。

(2)目的外支出は総額24,235,439円で、支出項目別では
①広報印刷物5,083,207円、
②事務所費5,441、011円、
③人件費11,519,873円、
➃HP維持管理料806,964円
⑤その他1,384,384円であり、相手方議員は
30名である。(別紙1参照)
(3)政務活動費の法的根拠
政務活動費は地方自治法第100条14の規定の基づき交付されるもの
であり、奈良県には「奈良県政務活動費の交付に関する条例」並びに
「政務活動費の交付に関する規定」及び「奈良県議会政務活動費の手引
き」等により使途基準や収支報告書、領収書等の提出の定めがあり、こ
れらの趣旨に沿って適切に使用されなければならないとされている。

第3 平成27年度における政務活動費の違法な支出各論

1.広報印刷費について
広報印刷費(配送費を含む)は政務活動費の為に支出するものは全
て適法であるが、印刷媒体を通じて自己の宣伝や選挙活動・政党活
動等が含まれる場合は記事の掲載割合に応じて適切に按分する必要がある。
然しながら作成した印刷物を見なければ適切な充当割合は不明である。
本件訴訟では一部の広報紙については現物確認ができるが、大部分の広
報紙の現物は未確認である。ところで、平成29年度からは当該印刷物
は活動記録簿と共に提出することに奈良県の手引きが変更された。
政務活動費に関する法律や条例が変わった訳でもないので、今までの手
引きが法令の趣旨に反していたのであり、今回本来の形に改訂されたと
解する事ができる。当該年度分(平成27年度)が未提出な相手方
は自己の主張の正当性を証すためにも提出が必要というべきである。
現物確認ができた印刷物(相手方和田、同川口、同田中、同宮本)に
ついては目的外記事の記載割合を評価して適切な充当額を算定し、現物
確認ができない印刷物については仮定値として1/2 按分を充当額と見做
した。但し、相手方田中は監査請求後一部について4/5 按分(原告が査定
した按分率)を認める訂正届を出したが、根拠は不明である。同相手方の
印刷物(県政ネットワーク)は3回発行されているが目的外支出に相当する按分
率は概ね同程度と評価しているので、広報印刷物に係わる他の5件の支出
についても4/5 按分を認めるべきである。又、相手方松本は自ら按分割合
を評価(75%)している事は評価出来るが原告には根拠が不明の為、1/2
按分が相当と見做し差額の95,377 円を目的外支出とした。
(別紙2 広報印刷物明細参照)

2.事務所賃借料について
事務所賃借料を100%充当している相手方事務所について後援会活動
等政務活動以外に関わる利用があるか否かについて検証した。
先ず、後援会事務所(政治資金法に基づく届出住所・以下届出住所と
いう)と賃借事務所とが同一である場合は併用型事務所と推認できるか
ら、併用の分担割合について特段の釈明がない場合は社会通念に従って
1/2按分とせざるを得ない。
次に、届出住所は自宅等としているが相手方議員が発行している印刷物
やHP等において政務事務所所在地を後援会事務所として自ら公表して
いる場合は、実質的な後援会事務所は政務事務所と同一であると推認でき
併用型事務所である。3つ目のケースは相手方が政務専用としている務事
務所において、後援会事務所や国会議員の看板等を掲出している場合は事
務所の外観からも政務活動以外の活動の存在を推認でき、特段の釈明がな
い場合は社会通念に従って1/2 按分とせざるを得ない。
(別紙3、5を参照)
3.人件費について
(1)人件費を100%充当している相手方についてその当否を検証した。
相手方16人全員が政務活動と後援会活動との併用型事務所であることを
確認した。従って、そこに働く職員が政務活動のみに従事したとする相手
方の主張には無理がある。何故ならば、一般に議員の活動は政務活動やそ
れ以外の雑多な活動が頻繁に発生する中で、議員を補佐する職員の行動も
議員の活動に呼応して有機的に対応する必要がある。
一つの証拠として平成27年4月、奈良県会議員の選挙が行われた際には
政務活動専任としている職員の人件費について按分を行っているが、この
事は必要に応じて政務活動以外の業務に従事する可能性を示しているも
ので選挙がなかったその他の月においても程度の差はあれ政務活動以外の
業務に従事している証左である。4月度人件費を按分した相手方は次の通
りで、相手方岡、同奥山、同和田、同粒谷、同小泉、同安井、同荻田
同国中で16人中8人である。更に相手方岡、同奥山、同和田、同粒谷、
同小泉の場合は事務所賃借料も同様の按分をしており、政務事務所あげて
選挙活動を行っている事が分かる。(別紙4、5を参照)
(2)人件費の充当については不透明な部分が多い。
本年1月奈良県市民オンブズマンでは人件費100%充当している議員
に対して労働保険料の実態を明らかにするためのアンケートを実施したが
回答は0であった。この事から当該議員が雇用する職員は労働保険に加入
していない可能性が高く、違法な状態の雇用関係である事が推測される事
は誠に遺憾である。労働保険料は不透明な人件費において対外的に支払い
の事実が証明できる唯一のものだけに残念な結果であった。
(別紙6 アンケート参照)平成29年度の手引きの改訂において人件費
については雇用契約書、賃金台帳の貼付が必要になったが、高い透明性が
求められる本件法律の趣旨から言えば、平成27年度の人件費においても
添付文書として提出することが相当であると言うべきである。

4.ホームページ維持管理料について
HP 維持管理費用を100%政務活動費に充当している議員についてHP
の運営の実態を確認し、その当否を検証し1/2 按分すべきと判断した。
岡史朗16200×11 178,200   違法支出額89,100 円
和田恵治10500×11 115,500       57,750
粒谷友示32400×11 356,400       178,200
安井宏一15750×12 189,000        94,500
大国正博15750×3+16200×8 176850   88,425
奥山博康年間払249,480          124,740
小泉米造支払証明書161,100         80,550
山中益敏支払証明書187,398         93,699
                  合計806,964 円
検証した各相手方のHPは甲121から134号証に示す通りであるが、
議員 東京高等裁判所第 民事部 平成 年 月
日付判決言渡 次 様 判断 示 本件相手方 本判
決 同様 内容 事 確認
B議員のウェブサイト(ホームページ)にはB議員の個人宣伝的な側
面と市政報告的な側面が混在し,その読者に訴える力はいずれかが明ら
かに強いとはいえないから,その更新に要する費用の半額を政務調査費
から支出することは許されるが,これを超える部分を政務調査費から支
出することは,許されない。」との判断を示し(判決文18頁)叉判決文
21-22頁では「Q議員のウェブサイトは,同議員の市政報告に当たる
部分が一定の部分を占めており,市政報告が当該ウェブサイトの重要な目
的の一つであることは否定できないが,他方において,議員の氏名を大
書し,随所に議員の写真が多数用いられており,通常人の目からこれを見
たとき,名前や顔の売り込みという議員の宣伝機能も当該ウェブサイト
の主要な目的の一つとなっていることも否定できない。そして,読者に
訴えかける力についてみると,市政報告的側面と個人宣伝的側面について,
いずれかの側面が明らかに他の側面より強いとはいえない]との明確な説
示があり、本件相手方HPにも目的外使用と認められる一定の写真や記事
が確認できる。

(5)相手方米田事務所電気代について
① 米田議員の事務所費電気代の支払先は近畿運輸㈱代表取締役米田昌子
氏( 代表者は相手方の妻、住所は大和高田市東雲町1 4 ー2 5
で相手方の自宅と同じ)であるが、支払の根拠となる電力会社からの
請求書の添付がないから、支払金額の適否を判断する事はできない。
近畿運輸㈱が契約者として電力代の支払を行っているものと推測でき
るが支払の必要性が確認できる文書(請求書又は領収書)の提示は必要
である。
② 政務事務所と後援会事務所が同居する米田事務所は大和高田市
永和町10-26にあり、近畿ビルと称する3階建建物である。
このビルの入居者は1Fに米田後援会事務所、2-3Fに相手方の同族
会社である近畿運輸㈱、近畿産業㈱、㈱米田組(代表取締役米田昌子)、
である事が写真からも確認できる。(甲150号証写真)
電気代が一括電力会社から請求されている場合は是等入居者の負担割合
が合理的に定められている事が必要である。
相手方は負担割合について事務所の図面等を提示し不透明な部分を明ら
かにする説明責任があると言うべきである。
この点に関し監査結果では「同議員は賃借料については政務活動費を
充当しておらず・・・」と述べる一方で「同議員は近畿運輸㈱から
一室を賃借し賃料と共にその部屋に付随する光熱水費を同社からの
請求により支払っている」と意味不明な判断を示している。電気代に
賃借料が含まれるとも解釈できるもので監査結果は失当である。
尚、電気代の5年間の推移をみると毎年着実に増加を示し、月額平均額
は平成23年度36,473 円が平成27年度48,195 円で増加率は132%
である。一般に政治家の事務所の電気代としては考えにくい季節指数を
示している。
③ 相手方は支払額を毎月後援会と1/2按分しているが、仮に二者で
按分するとしてもこの按分比率は適切でない。理由は例えば政務活動費
の人件費は職員1人で年96万円であるのに対し政治資金規正法に基づく
収支報告書の人件費は374 万円であり、人件費比率は2;8である。
➃ 原告は上記の実態を踏まえて、電気代1/2の充当は過大であると
判断し、入居者による合理的な按分が不明な状況下にある事を考慮すれ
ば最大でも1/4充当が相当であるとして、目的外支出の金額を算定した。
それによると平成23年度から平成27年度の5年間の不適切な金額は
充当額1,240,803 の半分に相当する620,401 円である。
(別紙7 年度別、月別電気代支払額と充当額を参照)

(6)その他の支出について
① 相手方粒谷パソコン代145,800 円について監査結果は「請求人は併用型
事務所と主張するが根拠は不明で失当」としたが、併用型である根拠は
明確で別紙5に示す通りである。監査結果こそ根拠のない主張である。
② 相手方松本宗弘プリンター代について監査結果は「松本運送㈱の事
務所の一室を明確に区分して使用」しているから問題ないとしているが
この場所は「田原本町大安寺113-1」であり、同相手方の政務事務
所であると同時に後援会事務所(届出住所)でもあり、松本運送㈱本社
住所でもある。松本運送と部屋を明確区分しているか否かでなく、後援
会事務所との併用事務所であることが明確である以上1/2 按分せざるを
得ないと解すべきである。
③ 相手方秋本コピー機リース代154,440 円及びトナー代28,670 円は
事務所は後援会と同居しているから1/2 按分すべきである。監査結果では
併用型事務所である事を前提に、「別々に所有しているので全額充当は
問題ない」としているが、同一事務所で使用頻度の多いコピー機を使い分
けているとの主張は合理的でない。この様な場合は後援会事務所でのリース
代やトナー代の支払いを証するものを提出する必要があると言うべきである。
③ 相手方川田京都大学院授業料等を100%充当している事については
通常の講習会等の調査研究費と同一視する事は適切でない。確かに調査研
究という側面を持つが、一方大学院卒の学位を習得することは個人的な技
能や資格を取得する事にも通じると言えるもので当該費用の100%充当
は不当である。
➃ 相手方田中公私混同と見られる支出
アNHK 受信料4月4,243 円(1/3)、10月6,365 円(1/2)の充当
及びこまどりケーブル受信料43,686 円(4月分1/3、他の月は1/2)の
充当は認められない。NHK は殆どの国民が自らの趣味や情報収集の為
に加入の必要性を感じ、受信料を支払っているものである。議員であ
る事を理由にしてこれを公金で支出する事は議員の特権の行使という
意味でしか理解できるものではない。こまどりの受信料にはインタネ
ット受信料を含む(TVだけならば1500 円/月額)もので、必要性を
認める事はできないので違法な支出と言わざるを得ない。
イ文芸春秋、中央公論年間購読料21,910 円
特定の政務調査目的の記載のある雑誌については充当が認
められるというべきであるが、情報提供が主目的の新聞とは異なり、
当該2誌は小説や教養等私的な読物というべきで100%の充
当は認められない。
ウ聖教新聞2部購入費2部購入の必要性は認められないので1部の半
額6,769 円は不当な充当である。
エ単行本昭和天皇実録14,287 円、万葉集全歌講義39,960、松山本草他
40,608 円の100%充当は私的な費用で不当である。
オSD カード(メモリー)2枚26,950 円異常に高額なものだけにその使
徒を確認するのは透明性の視点からも必要である。
カ搭乗券を支払証明としている事について監査結果では「往復割引の切
符で往の切符代領収書があるから帰りも同額(31,500 円)で問題なし」
と判断したとしているが、領収書を添付するという大原則に反する。
キガソリン代年6 9 回の給油等異常な車の使用に対して
監査結果は「全て同議員が使用した車両のガソリン代とのこと
である」であるが、この車が複数の者が使用している事は簡単な試算
によっても証明できる。
試算の前提車種軽4輪、燃費15㌔ガソリン代125円。
年間のガソリン代277,142 円で計算すると使用ガソリン2,217リッター、
走行キロ数33,255 キロ、365日で割る一日当り平均91.1kmと
なる。登庁日等64日を加味すれば一日平均100キロを越えること
になり、「全て同議員が使用」とする監査結果は全く信用できない。
以上の試算結果から支払総額の半分は相手方以外の他者の使用とみな
し、残りの半額を政務活動費と目的外使用とに1/2 按分するのが相当と
判断した。よって、充当額138,706 円の半額の69,353 円が違法な支出
額となる。 以上。

証拠方法
1.甲1号証から甲157 号証相手方の領収書など。
2.甲158 号証住民監査請求書(含む追加分)平成29年3月22日
3.甲159 号証監査結果平成29年5月19日



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by naraken-ombuds | 2017-06-20 10:58 | 監査請求・住民訴訟 | Comments(0)
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