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平成28年度奈良県会議員政務活動費監査請求書提出

平成28年度奈良県会議員政務活動費監査請求書提出


人件費にメス


                平成29年12月19日

奈良県監査委員 御中
          住 民 監 査 請 求 書


地方自治法第242条1項の規定により、事実証明書を添えて、監査委員に必要な措置を請求します。

請求の趣旨
第1.請求の対象行為
1.奈良県が交付した平成28年度政務活動費には、政務活動費の使途基準に  合致しない不適切な支出があり、これらは不当利得であるので返還を求める  べきものである。不適切な政務活動費は別紙請求相手方別請求金額一覧表の
 通りである。
2.奈良県には政務活動費交付に関する条例並びに規定があるほか、奈良県議  会が作成した運営の手引きがあり、是等の諸規程に準拠して実施されている。
第2.請求の理由
1番 中川議員について
(1)広報印刷物費 県政報告紙費用に係わるRPMデザインの領収書478、  003円は総額956,006円の半額であると言う。下欄にある南都銀行  カードサービス明細はその分の振込と思われるが、これを別の支払とでも言  うのであろうか。政務活動費の按分経費の場合は通常総額を支払いし、その
内の按分率による相当額を政務活動費に充当している。中川議員も其他の按分経費については総額の支払いを示す領収書を証拠として提出している。
よって、本件の総額を示す証拠と半分宛支払をした理由を示す必要があると言うべきである。仮定値として領収書金額の半額を充当可能な支出と見做した。(478003×1/2=239,001)   (1~2)事実証明書番号以下同じ
2番 川田議員について
(1)広報印刷物費 県政報告紙作成費用として4件1,310,645円を支出し、9/10の按分率で充当している。しかし、この金額は総額の1/2であると説明しているから総額は2,621,290円となるが根拠は不明である。(中川議員と同様RPMデザイン)しかも、9/10の按分は1/2に対するものであるから、総額に対しては95%の按分である。事実関係が不明と言わざるを得ない。中川議員と同様領収書金額の半額から1/2に対する1/10を控  除した金額を違法な支出と看做した。(1310645×1/2)-131065=524,257
 (別紙印刷物明細参照)  (3~7)
3番 岡議員について
(1)事務所費 事務所費月額69,094円×12月、年間829,128円を支出、全額充当している。事務所は発行する広報紙で併用型である事を明らかにしているから、格段の証拠を示して反論することが出来なければ1/2按分すべきであり、半額の414,564円は違法な支出である。(8)
4番 森山議員について
(1)事務所費 月額112,000円年額1,344,000円を支出し、全額を充当している。しかし、事務所入口には後援会の看板を設置しており、サポーターズ・ネットがこの場所を後援会事務所として利用している事等から併用型事務所である事は明らかである。按分について格段の証拠を示す事がない場合は、一般の社会通念に従って1/2按分とすべきであり、半額の672,000円は違法な支出である。(9から10)
(2)人件費 職員2名を雇用し(月額8万円と4万円)年間1,440,000円を支払、全額充当している。事務所費と同様、併用型事務所であるから事務所費と同様の理由により1/2按分すべきであり、半額の72万円は違法支出である。
5番 藤野議員について
(1)広報印刷物費 県政レポート作成・郵送費用として3件779,46  1円を支出、全額を充当している。現物が提出されるべきであるが、未確認  の為、仮定値として1/2の389,730円を違法な充当と見做した。
  (別紙印刷物明細参照)
(2)事務所費 月額75,000円年額900,000円を支出、全額を  充当している。事務所前には民主党まぶちすみお、前川きよしげ、藤野よし  つぐによる民主党演説会のポスター3枚、建物裏側に2枚が貼り出された状  況からも事務所は政務活動とそれ以外の活動が行われている併用型事務所で
 あると推認できる。特段の事情を示す証拠がない場合は社会通念に従って  1/2按分せざるを得ず、半額の450,000円は違法な支出である。
(3)人件費 職員1名を雇用年間1,047,500円を支出、全額充当  しているが事務所費と同様併用型事務所であるので、1/2の523,750  円は違法な支出である。       (11~15)
6番 中野議員について
(1)事務所費 家賃月額150,000円(駐車場5台分3万円を含む)  年間1,800,000円を支出、全額充当している。自民党や国会議員
 高市早苗の看板を設置しており、政務活動以外の活動が行われていることは  明らかであり、併用型事務所であるから1/2按分すべきであり、半額の900,  000円は違法な支出である。
(2)人件費 職員1名を雇用、月額8万円4月から12月分720,00  0円を支払い、全額充当している。事務所費と同様併用型事務所であるの   で、1/2の360,000円は違法な支出である。  (16~18)
7番 安井議員について
(1)広報印刷物費 県政だより印刷・折込代(2件)513,890円を支  出、全額充当している。請求人は現物未確認のため、仮定値として半額を違  法な支出と見做した。透明性が求められる政務活動費でるから、情報は提供  されるべきである。(別紙印刷物明細参照)
(2)事務所費 月額振込料込30,324円 6,7月分を除いて全額充当  している。6月分は9/30が、7月分は9/31が目的外支出であるとして控   除した額を充当している。然しながら、事務所は政治資金規制法に基づく届  出住所と同一であり併用型事務所であるから、特段の証拠をもって根拠を示  すことができない場合は1/2按分すべきである。従って、10ケ月分について  は支出の1/2を、6-7月分については1/2から議員が認めた目的外支出分を  控除した金額が違法な支出である。又、駐車場代(月額8,000円)も
 6,7月分については事務所費と同じ按分をしているので、事務所費と同じ方  法で違法充当額を算出した。(事務所費139,1888+駐車場43,284円)
 (3)人件費 月額50,000円の職員1名雇用。6月、7月分給与に   ついては事務所費と同様(同率)の目的外支出を認め充当から控除して   いる。しかし事務所費と同じ理由により併用型事務所であるから10ケ月   分については支出の1/2を、6-7月分については1/2から議員が認めた目  的外支出分を控除した金額が違法な支出である。  (19~26)
8番 奥山議員について
 (1)事務所費 年間家賃420,000円(年度末月に一括払)を全額充   当している。事務所入口には「かしば21世紀倶楽部後援会事務所」    の看板を設置しており(政務事務所の看板はない)併用型事務所である事   は明確である。半額の210,000円は違法な支出である。
 (2)人件費 職員3名に年間1,089,000円を支払、全額充当して   いる。事務所費と同様、併用型事務所であるから半額の544,500円   は違法な支出である。            (27~31)
9番 小泉議員について
 (1)事務所費 家賃月額60,270円年額723,240円、セコム管   理費年額64,800円を支出、全額充当している。事務所前や建物に   は国会議員高市早苗、同堀井いわお並びに泉栄県政会(小泉議員の後援会   )の看板が設置されており、政務活動以外の活動が行われている事は明ら   かである。併用型事務所であるから1/2の394,020円は違法な支出で   ある。又、駐車場代年額450,648円を支出、全額充当しているが同   様な理由により半額の225,324円は違法な支出と言うべきである。  (2)人件費 職員2名(月額6万円と同5万円)を雇用年額1,320,   000円を支払、全額充当しているが、事務所費と同様な理由により1/2   の660,000円は違法な支出である。
 (3) 事務費パソコン代 60,000円全額を充当しているが、事務所   は併用型であるため、1/2は違法な支出である。   (32~37)
10番 中村議員について
 (1)広報印刷物費 広報紙21センチュリーの作成・郵送費13件
3,246,919円を支出、目的外支出分を控除した2,854,55   2円を充当している。目的外支出の割合は3件については11/12で、その
他は14/16であるが理由は不明である。請求人は未確認であるため、1/2を仮定按分率とし充当額との差額の1,231,093円を違法な充当と見做した。(別紙印刷物明細参照)          (38~46)
11番 梶川議員について
 (1)広報印刷物費 議会報告作成・折込代4件1,666,515円を支   出、内10%を民主党負担分として、残額を政務活動費に充当している。
請求人は現物未確認であるため、民主党負担分を除いた4/10が目的外    支出と見做し充当額(1,499,861円)との差額の666,602   円を違法な支出とカウントした。(別紙印刷物明細参照) (47~51)
12番 川口正議員について
 (1)広報印刷物費 県政ニュース2件を支出しているが宛先はいずれも川   口後援会事務所である。9月発行の556,200円、29年1月発行分   の567,864円はいずれも1/2按分で充当しているが、広報紙の内容は   平成27年度発行の事例からも後援会が発行する宣伝色の強いものの可能   性もある。請求人は現物未確認であるが、目的外支出を3/4と看做して、    違法な支出金額(281,086円)を算定した。(別紙印刷物明細参照)
 (2)人件費 職員3名を雇用、年額2,661,528円(振込料共)を   支出、全額を充当している。事務所が政治資金規制法届出住所と同一であ
るだけでなく、事務所費の電気代、電話代は1/3充当している。
この様な事務所で働く職員が100%政務活動に従事すると主張する事は
不合理であり、政務活動専用職員とする根拠は失われている。
1/2の1,330,764円は違法な支出である。    (52~61)

13番 田尻議員について
 (1)広報印刷物費 県政ニュース印刷・郵送代5件1,581,298円   を支出、全額を充当している。請求人は現物未確認のため、仮定値として   半額を違法な支出と見做した。透明性が求められる政務活動費でるから、   情報は提供されるべきである。(別紙印刷物明細参照)
 (2)事務所費 駐車場代、光熱費込で年額890,798円を支出、全額   を充当している。政資法届出住所(自宅)は閑静な住宅地にあり、且つ登   大路町の事務所とはかなり離れている。事務所で後援会事務も行わざるを   得ないし、後援会会員も登大路の事務所を訪問せざるを得ないと合理的に   推認でき、併用型事務所である。半額は違法な支出である。
 (3)人件費 2名の職員を雇用、二人で年額1,035,000円を支払
全額を充当している。事務所と同様な理由により併用型事務所であるから
半額は違法な支出である。             (73~78)
14番 田中議員について
 (1)広報印刷物費 県政ネットワーク印刷・折込費用5件557,178   円を支出、全額充当している。請求人は現物未確認のため、仮定値として   半額を違法な支出と見做した。透明性が求められる政務活動費でるから、   情報は提供されるべきである。(別紙印刷物明細参照)
 (2)昭和天皇実録第8~12巻を購入、全額(10,205円)充当している。  一般教養や個人的趣味のための図書の購入費が政務活動費に充当できるのか  が問われる。 例えば田中議員は新聞購読料は1/2按分しているのと対比して  考えた場合、新聞よりもはるかに政務活動との関連が低いと判断できる本件  書物を100%充当するのは不合理的である。雑誌文藝春秋・中央公論を年  間購入しているが昭和天皇実録と同様の理由で充当は不当である。政務活動  費としての必要性が認められないので支出の全額は違法な支出と言うべきで  ある。但し雑誌は4月分(1810円)を代表して請求する。(62~72)
15番 秋本議員について
 (1)人件費 同一事務所で働く職員2名の内、直接採用している職員の給   与は1/2按分しているが、派遣社員の職員1名については全額政務活動費に   充当(年額1,753,653円)している。事務所に後援会事務所が同   居している事はHPでも明らかであり、同じ職場で派遣社員だけが政務専   用職員とする根拠は見当たらない。実態面を考慮すれば不合理な主張と言
わざるを得ない。よって1/2の876,826円は違法な支出である。
                           (79~81)
16番 雇用の実態が分からない高給事務職員の人件費について
(1)雇用する職員の内、月額給与10万円以上の職員(高給職員という)の  人件費支出に係る支払証拠次の通りである。(敬称略)(単位 万円)
猪奥1名 14万円×12月=168万円       支払証明書 
松尾1名 20×12月   =240        支払証明書
荻田2名 A 26×12月  =312        支払証明書
       B( 11.4~12.7)×12月=145.2万円  支払証明書
井岡1名 12×12月   =144        支払証明書
粒谷1名 15×12月  =180        支払証明書
松本2名(18+14)×12月=384   支払証明書、受領確認表
新谷2名(11+11)×12月=264     領収書(毎月作成)
国中1名(23×11月)+賞与2回50=303 領収書(毎月作成)
西川2名 A (18~46)×12月=302   領収書 (毎月作成)
       B 18×10月     =180   領収書 (毎月作成)
佐藤2名 A 17×12月  =204       振込み
   B 10.36×12月 =124.32    振込み 
内、佐藤議員の振込人件費は一応第三者による支払の事実が確認できるので
請求の対象外とする。                (82~104)
(2)高給職員の人件費の多くは議員が作成する支払証明書、領収書だけで
政務活動費の充当ができるのが現行の運用制度である。現行制度では人件費の証拠である雇用実態を示す文書即ち、雇用契約書、源泉徴収票、勤務実態を示す出勤簿等や雇用者の義務である社会保険関係の手続き文書は議長に提出の必要がない。しいて言えば、現行の制度では雇用の実態、勤務の実態がある証拠は何一つ存在しなくても、自作の文書だけでも政務活動費として充当が可能である。議長は地方自治法100条16項及び条例第13条に基づき、透明性確保のために調査をする必要があるとの定めはあるが、ここ数年来人件費について議長の調査が行われた事を聞いた事がない。
(3)人件費に係わる議長の調査は透明性確保の観点からだけでなく、労働保険未加入と言う違法行為の改善の為にも必要である。雇用保険や労働災害保険については雇用主に加入が義務付けられており、違反者に対しては雇用保険法83条1項で「6ケ月以内の懲役又は30万円以下の罰金が課せられる」とあり、労災についても同様な罰則が適用される。未加入の労働者に災害が生じた場合は保険給付の100%が事業主から徴収される事になるから、時に事業主が倒産に追い込まれる事もあると言う。労災による事故・病気等を健康保険で処理する事は所謂労災隠しであり、労災詐欺と言われかねない。議員が雇用する職員が労働保険に未加入の状態だとすれば、それは違法行為を意図的に行っている事を意味し、県民を代表する議員としては恥ずべき行為であり、許され

るものではない。労働保険未加入は自賠責保険に加入しないドライバーと同質である。同様に源泉徴収についても実態は不明である。議員各位におかれては透明性が求められている本件政務活動費においては自ら給与の実態を明らかにする立場をとられる必要があると言うべきではなかろうか。
(4)人件費はその支出については不明なところが多いが、個人情報保護の関係から明瞭化は道半ばである。そうした中で労働保険加入の証拠(納付書等)は第三者が証する数少ない文書である。透明性が求められている政務活動費においては議員の自主的な行動が求められているが、一方、違法行為の是正は政務活動費の適否に関係なく至急に実施されなければならないと考える。
不法行為の有無(労働保険未加入)の調査は監査委員の職権をもって行い得る範囲であるから、適切な指導が行われれば不透明な人件費が解明されるものと
考える。請求人は労働保険の加入の有無については監督官庁に必要な情報を提供し、指導を求める方法もなくはないが恥ずべき行為を曝け出す事は潔しとしない立場である。
(5)さりながら、不法行為(労働保険加入)の有無が確認出来ないまま不問に付すことは、仮に恥ずべき違法行為が存在していてもそれを野放しにする事でもあるから県民として決して認める事はできない。本請求においても4月の給与18万円が翌年2月46万円に増額される不適切な処理も発生している。上記人件費は全て1/2按分の処理であるが、この様な支払の事実が確認できない高給事務職員の人件費は全額不適切な支出と看做して請求する。
現行制度はザル法の様なもので、2-3百万円の支出が支払証明書だけで済む様な制度(奈良県の手引)こそ不適切だと言うべきではないだろうか。

第3 監査委員に求める措置
本件に関連して奈良県が蒙った損害は相手方議員の不当利得に基づく違法行為を原因として発生したものである。監査委員は奈良県知事に対して当該関係者に対して直ちに返還請求を求めるよう勧告することを求める。
以上。


事実証明書
1番から104番まで 別紙事実証明書綴の通り。


平成28年度請求相手方別請求金額一覧表2017.12.11

番号 相手方 印刷物事務所費 人件費 その他  請求金額
1中川 崇 239,001     239,001
2川田 裕 524,257     524,257
3岡 史朗  414,564    414,564
4森山賀文   672,000 720,000    1,392,000
5藤野良次 389,730 450,000 523,750    1,363,480
6中野雅史   900,000 360,000    1,260,000
7安井宏一 256,945 182,472 、、     439,417
8奥山博康   210,000 544,500     754,500
9小泉米造     619,344 660,000 30,000 1,309,344
10中村 昭 1,135,202 1,135,202
11梶川    666,602     666,602
12川口正志 281,016     281,016
14田中惟允 278,589 7,933 286,522
13田尻 匠 790,649 445,399 517,500     1,753,548
15秋本登志嗣       876,826   876,826
16猪奥美里       840,000   840,000
17荻田義雄       2,286,000 2,286,000
18井岡正徳        720,000   720,000
19粒谷友示        900,000   900,000
20松本宗弘       1,920,000 1,920,000
21新谷紘一       1,320,000 1,320,000
22国中憲治       1,515,000 1,515,000
23西川 均       2,410,000 2,410,000
24松尾勇臣       1,200,000 1,200,000
 合計  4,561,991 3,893,779 17,313,576 42,015 25,811,261
by naraken-ombuds | 2017-12-20 11:11 | 監査請求・住民訴訟
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